上信国境南部 石仏、茶屋ノ平(ずみ岩) 2010年11月27日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 7:06 ゲート−−7:15 林道終点−(出入口探索、柵越工作時間を含む)−7:25 柵を越える−−7:32 谷分岐−−7:53 茶屋ノ平峠(1670m)−−8:38 石仏 8:48−−9:22 茶屋ノ平峠−−9:57 茶屋ノ平 10:22−−10:39 稜線を離れる−−10:50 谷分岐−−10:57 柵を越える−−11:00 林道終点−−11:05 ゲート

概要
 南相木ダムへの取付道路の途中から分岐する林道から歩き始める。地形図の実線終了地点が林道終点で、その先の破線は完全に廃道。以降は地形図の破線に沿って谷を登ったがルートを選べば笹は無い。主に西斜面に笹がはびこっている。1670m鞍部で茶屋ノ平峠(茶屋ノ平のコル)の目印あり。ここから県境まで破線が書かれているが実際は廃道で形跡無しだが、標高1700m以上で稜線直上に切り開きがあり、藪は皆無で歩きやすかった。石仏山頂は樹林が伐採されて明るく、南は展望がありそうだったがガスで見えず。茶屋ノ平(地形図では「ずみ岩」)までも稜線直上に切り開きがあり、ほぼ藪漕ぎは不要。ただし山頂手前でフィックスロープが垂れた露岩が登場する。ロープは古くて使えそうにないが、右手から回り込むように上がればロープ無しで上り下り可能だった。茶屋ノ平山頂は露岩帯で展望良好。



 川上村には地形図には記載されていないが山名事典に記載された1900m台の山がいくつかあり、その一つに「石仏」なる妙な名前の山がある。長野/群馬県境に位置し、確かDJFも登っているはずだがたぶん群馬側から往復しているはずだ。東京多摩から向かう場合、もちろん群馬側も可能だがアプローチの良さでは長野側の方がずっといいので、今回は西から攻めることにした。山名事典では石仏の南西に茶屋ノ平なるピークが掲載されており、地形図を見ると「ずみ岩」と書かれた三角点がそうであった。これと組み合せて2山登るのがお得なプランだろう。両者を結ぶ稜線の鞍部には南東側から破線が上がっており、これを利用するのが得策と判断した。途中まで車道なので多分その先の破線は廃林道なのだろう。これなら楽勝のはずだ。

 北関東方面では金曜夜に雨の予報だったが長野は微妙だ。夜間に冷たい雨が降ると道路が凍結して危険なのが一番の気がかりだ。早めに冬タイヤに換えてしまえばいいのだが、冬タイヤにすると燃費が1割以上悪化するのでできるだけ避けたいところであり、12月末までは我慢することにしている。チェーンは積んでいるので、最悪、どうしてもとなったらチェーンを巻けばいいし、距離的な損失が大したない場合は歩いてもいい。

 韮崎ICを降りて清里、野辺山と進んでいくが路面が濡れてイヤな感じだ。川上村になると標高1500mだから凍結の危険性が高くなる。集落の辺りはまだ凍っていなかったが馬越峠を上がっていくとテカテカにライトを反射する路面も登場、ソロリソロリと徐行運転だ。峠を越えて下りにかかると路面上に雪も見られるようになり緊張したがどうにか滑らずに危険地帯を通過、集落に入った。路面は濡れているがこの辺は凍結していない。ダムに向けて走り出すと「この先5kmからダム堰堤まで冬季通行止め」の看板が登場、通行止めになるとしても12月に入ってからと予想していたが。まあ、行けるところまで行ってみてあまりに歩きの距離が長い場合は別の山に転進するとしてそのまま進んだが、最後の集落を過ぎてもゲートや車止めは登場せず、濡れた舗装道路を上がっていく。やがて雨が降り出し、ほどなく雪に変わった。ただ、まだ周囲の地面は黒いままで春の淡雪のようにすぐ解けてしまっている。これなら大丈夫だろうとそのまま高度を上げ、H型の変形交差点を直進してダムを目指し、大きく左カーブした先のゲートの閉まった林道入口に到着、ここが予定していた林道だ。ここにゲートがあることは想定していたので残念に感じることもなく、ここまで車で入れたことに感謝だ。今夜はここで仮眠。

 翌朝、さほど長くないルートなのでのんびり起きると雪は止んでいたが周囲はガスに包まれていた。地面は白くないので下山することには気温も上がって車の走行に問題は問題無さそうだがこの分では藪があったら濡れていそうなところがイヤな感じだ。気温が低ければ上部は霧氷でエビの尻尾ができているかもしれない。

ゲート前から出発 林道終点の植林地

 朝飯を食って出発。まずは林道歩きでカーブを2度切ったらもう林道は終わり、鹿避けの柵に囲まれた幼木の植林帯に出た。地形図の破線はこの植林帯を突っ切ってこの先の谷に続いているはずだが、植林帯には予想していた林道がない。植林と共に潰してしまったのだろうか。ガスっているので先に谷があるのか見えないが、とにかく柵の中に入らないと話にならないので人間用なのか車両用なのか分からないがドアを開けて中に入った(もちろん締めるのを忘れない)。

柵に囲まれた植林帯(帰りに撮影) この柵をすり抜けて谷へ

 平坦地の一面の植林でガスっているから進路が分からず、方位磁石で真西よりやや北に進路を振って歩いていく。途中に溝があるが渡れるように橋が架かっていた。そのまま進んでいくと斜面が見えると同時に柵に突き当たり、右に進路を変えて谷が出てくるのを待つ。すぐに2又の谷が登場し、左の谷が地形図の破線が続いている谷のはずだが、やっぱり廃林道無い。念のために右の他にも確認したが廃林道は無く、予定通り左の谷に突入することに決定。しかしそれには柵を超える必要がある。入るときはドアがあったがこの付近を探したがどこにも出入口はない。乗り越えようにも人間がよじ登るには支柱の強度が不足しており、無理に登れば根元から倒れそうだ。ここは時間がかかるが支柱に金網を固定している針金を解いて隙間を作りすり抜けることにした。少々時間はかかったが苦労するほどもなく工作を完了、柵の外に出ることができた。帰りもここを通過しないと林道に出られないので針金は緩めに締めておいた。

谷の右岸側が笹が無く歩きやすい 谷分岐で右に入る

 この先の谷は成長した唐松樹林で、左岸側には廃道化した作業道が見られた。谷の東斜面は一面の笹薮でこれに突っ込むようなら気が滅入るが、うまい具合に西斜面は笹が生えずにきれいな地面が見えており、谷を外して西斜面をトラバースするように進んでいった。ここは食害避けの柵があるくらいだから鹿の影が濃く、あちこちに鹿の糞が散乱していた。どうせなら糞ではなく角が落ちていればいいのに。たぶん時間をかけて探せば角の1本くらいは発見できそうだが、こちらは山登りが目的なのでおまけで発見できれば儲けものくらいの感覚だ。

またまた谷右岸を行く 左岸側斜面はこの笹

 やがて谷が2つに分岐、地形図を見ると今度は右の谷に進む。ここまで来ると破線の形跡は皆無と言ってよく、廃道化したというより元々道がなかったのではないかと思える。でも先ほどと同様に東斜面は笹、西斜面は歩きやすい樹林帯が続き、苦労無く高度を上げる。谷がはっきりしなくなるとどこも笹が無い斜面となり適当に登っていくと鹿道に行き当たり、右にトラバースするように高度を上げると1670m鞍部に出た。

稜線に出る 1670m鞍部

 この鞍部には臼田営林署の山火事注意の丸い看板があり、そこにはマジックで「茶屋ノ平のコル」と書かれており、お隣には幅の広い青いビニール紐?に「茶屋ノ平峠」と書かれていた。確かにここを訪れた人がいるようで、地形図の破線も伊達ではない? でも途中で目印の類は見なかったので別ルートで登ったのだろうか。

 まずは距離のある石仏から先に攻めよう。尾根に乗ったので今度こそ踏跡があると思ったら目印はあるが踏跡皆無だった。まあ、藪も皆無なので問題は無いが地形図の破線はここでも大外れだった。鞍部付近は地形が複雑で反時計回りに屈曲するので要注意だ。まあ、目印が多いので間違えないとは思うが。

露岩尾根登場。左から巻いた 枝分かれのないシャクナゲの林

 進行方向が北西になると正面に露岩の尾根が登場する。無理すればよじ登れそうだが無理する必要も無いので巻くことに。左右どちらにするか考えたが左から攻めてみることにした。こちらは立って背の高い石楠花の林で、この石楠花は根元で枝分かれしておらず1本の幹が立ち上がっているので邪魔な存在ではない。石楠花も標高が低いとこんな成長をするようだ。

1750m峰 1750m峰の赤テープ

 岩が緩やかになったところで稜線に復帰、僅かに笹が登場するが藪というほどではなく問題なし。すぐにおとなしい樹林となった。1750m峰は顕著なピークでてっぺんの木には赤テープが巻かれ「フジオカ T.K」のサインがあった。今年の6月6日の日付であった。このピークから先は明瞭な刈り払いの形跡が見られ、踏跡があるわけではないが非常に歩きやすいルートとなった。地形図ではこの尾根の南を巻くように破線があるが、今までの状況を考えると道があるとは思えず、このまま素直に稜線を進むことにした。

1750m峰から下る 稜線上は明瞭な刈り払いあり
コメツガが霧氷で白い 山頂近し

 下り初めで倒木があったが、その後も切り開きはずっと続いた。標高が1800mを越えるとシラビソ樹林となり、同時に葉には霧氷が付いて真っ白になっていた。気温は約-4℃、こりゃ霧氷になるはずだ。昨夜の雨はこの標高でも雨だったようで地面に雪は見られない。

石仏山頂 山頂標識群

 緩やかに尾根を登り傾斜が無くなると同時にシラビソ樹林が切れて地面に三角点が登場。ここが石仏山頂だった。三角点近くの石には「石仏」と書かれ、地面に落ちていた標識には「石仏の頭」と書かれていた。なんで石仏なんだろう?? ちなみに山頂に石仏はなかった。周囲はガスッたままだが時々ガスが薄れて周囲が明るくなり、まもなくガスの層から抜けそうだった。山頂は頭上は開けているのだが周囲は樹林に囲まれており、ガスが晴れても展望は良くなさそうだった。もしかしたら南側は展望が得られるかもしれない。

茶屋ノ平峠より西に進む こちらの稜線上にも刈り払いあり
ガスが晴れかけた石仏 1つ目の1710m峰てっぺん
1つ目の1710m峰から見た茶屋ノ平山頂方面

  少々休憩して茶屋ノ平に向かう。茶屋ノ平峠に到着する頃にはガスの層から抜け出して日差しが得られて体感温度は一気に上がった。峠から茶屋ノ平方向は切り開きがあり、こちらも楽勝のようだ。1つ目の1710m峰は露岩であったが特に危険箇所も無くてっぺんに到着、ここにも「フジオカ T.K」のリボンがあった(さっきは赤テープ)。

1710m峰の下り。北側を巻く まだ刈り払いが続く
1つ目の1710m峰を振り返る 2つ目の1710m峰。南を巻く

 下りは尾根上は絶壁なので刈り払いは北に巻いており、絶壁の基部に下って尾根に復帰する。次の1710m峰は最初から岩壁なので左から巻いてしまうことにする。ここは広い斜面で藪は無いので刈り払いも無い。

鞍部から登りにかかる 鹿の角の目印

 鞍部から登りにかかると再び刈り払いが登場、そして木にくくりつけられた鹿の角があった。立派なものだったら頂戴しようかと思ったが先端が欠けており、他人様が見つけたものということもあってそのままにしておいた。やっぱりこれだけ鹿の影が濃ければ角くらい落ちているらしい。

こちらも霧氷で白い この刈り払いは大助かり
この露岩は登れる 露岩帯突入

 藪っぽい尾根を急登するがここも刈り払いに大いに助けられる。稜線が狭くなると潅木や石楠花がひどくなってくるが、刈り払いのおかげで全く苦労せずに済んだ。やがて前方に露岩が立ちはだかり、これはどこを巻くのかと思ったら左右とも切り立っており、どうやらまっすぐ登るようだ。岩は旧ではあるが垂直ではなく、デコボコも多くて手がかりに苦労することもなく思ったより簡単に通過できた。でも帰りはここを通ることはなく、途中、刈り払いが2又に分岐した所があり北側を通ったので、もしかしたら北側を大きく巻くルートがあるのかもしれない。露岩上なので展望はすこぶるよく南相木ダムが大きく見えていた。石仏もガスの高度ギリギリでまもなく晴れそうだった。

この露岩は右を巻く 岩壁右縁を登った

 このまま尾根を淡々と行けば山頂かと思いきや、再び尾根上に露岩が立ちはだかる。今度は正面突破は不能で右に巻いていくとロープが垂れた高さ2,3mの小規模な岩壁が登場、劣化が激しくロープに頼るのは危険だし、岩壁は手がかりが少なくてよじ登るのは技量が必要だ。しかし良く見ると切れ落ちてはいるが岩壁の右を巻くように進めば岩角や木に掴って登ることができそうで、こちらの方が簡単そうなのでチャレンジしてみると意外に簡単に通過できた。帰りもロープ無しで下れたのでこれが正解だろう。

稜線上から見た南相木ダム この向こうの平坦地が山頂
茶屋ノ平山頂 山頂標識
茶屋ノ平から見た奥秩父 茶屋ノ平から見た御座山

 この岩の上部に出れば問題となる箇所は無く、肩を一つ越えた先が三角点のある茶屋ノ平山頂だった。山頂には「ずみ岩」の標識が2つ。一つは古い木製、もう一つは茶屋ノ平峠で見た幅広の青いビニール紐製で、下部には「服神院」の署名があった。日付は今年11月15日と近かった。帰ってからネットで検索したらHPを発見できた。山頂は松が生えて360度の大展望とは言わないが、基本的に露岩上なので少し場所をずらせば展望を楽しめた。ここまで来ると御座山は間近だ。

下山開始 岩壁を上から見下ろす
谷を下る 往路に合流

 帰りは1710m峰手前までは同じルートを下り、1710m峰南東に下る谷を下った。これを進めば登りで二俣で別れた谷で合流するのでショートカットになる。この谷は笹は皆無で藪も無く歩きやすいまま合流点に到着した。

植林地から見た稜線
植林地の橋 林道に出た

 鹿避けの柵まで出て行きで通過した場所を再びこじ開けて通過、今度は針金でしっかりと固定した。正式な出口から林道に出て淡々と歩いて車に戻った。 

 

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